古典文学

2008年11月 1日 (土)

母の愛した源氏物語

Photo_12 本日、京都では、11月1日を『古典の日』と宣言する式典が行われる(た)とか。紫式部がこの世に『源氏物語』を生み出してちょうど千年。1008年11月1日の『紫式部日記』には、源氏物語が宮廷で読まれていたという記述があるそうだ。私の母は、源氏物語が好きで、与謝野晶子訳、谷崎潤一郎訳も読んでいたようだが、特に瀬戸内寂聴訳が好きで大事にしていた。左上の本がそれである。 だが、私は親に似ない鬼っこで恥ずかしながら源氏物語の訳本を読んでいない。さらに恥をさらすようだが、津軽には、「むらさきしめじ」と呼んでいるきのこがあって、子供の頃、紫式部というのはきのこの名前だと思っていた。

中学生になって、漫画家の大和和紀さんが描いた『あさきゆめみし』を友人から借りて読み、人間模様のおもしろさを知った。しかし、高校時代は絵巻物の美しさと、(勘違いをしているかもしれないのですが)源氏が我が子ではない皇子(みこ)をその腕に抱きながら複雑な表情をしているその顔だけが瞳の奥にこびりついただけで、文法や古語を辞書で引くのに必死で、物語のおもしろさどころではなかった。sweat01

むしろ、わかりやすいというところで清少納言の『枕草子』や吉田兼好の『徒然草』などの随筆もの、五言律詩とか漢詩の方が好きだった。平安時代の物語で訳せておもしろいと思ったのは『とりかえばや物語』くらい。

だが古典も日本史も得意じゃない私が、『鍵屋お仙見立絵解き』に古典に造詣が深い浮世絵師・鈴木春信を登場させているのだから、人生はわからないものだ。春信は、古典の題材を当世風に描く「やつし」絵や異なるものを連想で結びつける「見立て」絵を得意とし、お仙探偵が解決する事件は、春信の浮世絵が根底にある。flair春信は、紫式部を「見立て」た<五常(ごじょう)信(しん)>も描いている。

思えば今年は、ちょっとだけ京都にご縁があるようだ。 数ヶ月前に仕事で知り合った男性が京都出身で、普段、京都弁に触れる機会がなかった私は、その柔らかな響きに癒しと新鮮さを感じた。鈴木春信もこんな話し方をしたのかなあと勝手に想像をふくらませたりもした。

平安時代は、和歌のやりとり。そして、現代はメールのやりとり。だが、京都弁を知る前に仕事の切れ目が縁の切れ目か、それっきりメールが途絶えた。今でも、ようわからんお人やなあと思う。(あちらも、そう思っているかもしれないけど)sweat01 お元気で、素敵なCMを創り続けてくださいね。(って見てないか)rain

もうひとつは、造幣局から発売された京都府の千円銀貨幣(カラーコイン)。表面は源氏物語の「宿木」。裏面は「雪月花」shine(雪月花は、私の受賞作『十六夜花泥棒』のもうひとつのテーマ。美しい日本の情景のひとつだと思っている)mistmoon3cute

前述した皇子を抱いていたのが源氏か帝かはっきりさせるためにも、「源氏物語千年紀」を機に、母が残してくれた『源氏物語』を読んでみようと思う。book

ラジオから、レッド・ツエッペリンの『天国への階段』が流れだしたところで、夜のドラマを楽しみに「平安」から「平成」に戻って仕事を始めます。clover

追伸;瀬戸内寂聴さんの訳した『源氏物語』の<桐壺>を読み始めましたが、とてもわかりやすく読みやすいですね。これなら、あっというまに読めそうだし、疑問も早く解けそうです。confident